面接官は人事だけじゃない
1. 人事部(人事担当者)
一般的な企業では、採用のエキスパートである人事が中心となって採用を進めていきます。
最終面接までに「基本的なビジネスマナーが身についているか」「活かせる経験や能力があるか」「仕事への熱意があるか」「企業について正しく理解しているか」などの視点から判断します。
2. 現場の社員
現場の社員が面接官を務めるのは採用の初期段階で、基本的なスキルやマナーを重視しています。
また、若手社員は「同じ職場で一緒に働きたいか」、責任者だと「職場や業務内容に馴染めそうか」などという現場の社員ならではの視点が加味されます。
3. 役員・社長
面接の最終段階は、会社の役員や社長が面接官を担当する「役員面接」となり、採用にあたって重視するのは「会社に貢献しそうな人物か」や「会社との相性」などです。
仕事に必要な経験や基本的なスキルは、初期段階でクリアしているので最終面接では重視されません。
面接の段階ごとの採用ポイント
1. 一次面接
一次面接では「基本的なマナーが身についているか」や「応募書類との矛盾はないか」、「会社に必要な経験や能力はあるか」というようなシンプルな内容が採用ポイントです。
面接で判断したいポイントが少ないため、あまり踏み込んだ質問をされることはありませんが、社会人としてのマナーや感じの良い話し方ができるよう練習をしておきましょう。
2. 二次以降
二次以降の場合は「どのような人物なのか」や「採用リスクはないか」、「仕事のどんな場面で活躍しそうか」などを見極めるため、一次面接よりもさらに踏み込んだ内容を問います。
そのため、自分の能力や経験をアピールするだけではなく、「どうしてそう考えるのか」といった根拠や、「応募先企業でどんなことがしたいのか」というビジョンを具体的に伝えられるかが合否を分けます。
3. 最終面接(役員面接)
最終面接での採用ポイントは、一次面接や二次以降で回答してきた内容をさらに深堀りし、「候補者の価値観が会社の方針やビジョンと合っているか」というマッチングをしていくところです。
今まで面接で回答した内容に一貫性を持たせ、回答がブレないようにしてください。
「聞いていた内容と全然違う」という不信感を与えないためにも、常に「自分の転職軸」を意識するとよいでしょう。
人事・役員部門の面接官がチェックするポイント
1. 志望動機や自社との適合性
志望動機を問うのは「どうして自社を志望したのか」という理由も知りたいことの一つですが、他にも「候補者のビジョンが自社で実現可能か(自社との相性)」や「入社に対する熱意はどうか(意欲があるか)」などを探っています。
ここでは自分の能力がどれだけ応募先企業で役立つかを、具体的に伝えるのが効果的です。
2. 自己PR
「候補者の強みや能力」を知る以外に、「入社後のどのような場面で強みを活かせそうか」といった点を重視されるため、アピールポイントを考える際は「求める人物像」を意識するのがコツ。
会社が求める能力と自分の能力がマッチし、入社後に活かせることを根拠と一緒にアピールしましょう。
3. 自己紹介
面接の冒頭で「自己紹介をしてください」と言われるのは、候補者の緊張感を緩和させ、普段どおりの力を発揮してもらおうというのが面接官の狙いのためです。
したがって、自己紹介の際に必要以上にしゃべるのは避けた方がよいです。
4. 長所や短所
この質問は「性格や人間性」を見ると同時に「自分を客観視できているか」を判断するためのもの。
長所では「仕事上活かせそうなもの」、短所では「向き合い方」を伝えるのがポイントです。
特に短所は「採用リスクがないか」を判断する意味もあるため、「約束が守れない」「時間にルーズ」という社会人として致命的な欠点は避けましょう。
5. 他社の選考状況
「弊社以外にどのような企業を受けていますか」という他社の選考状況を伺う質問もあります。
この質問の意図は「内定を出したら入社してくれるか」という入社意欲を判断するためのものです。
嘘をつく必要はありませんが、入社意欲の高さをアピールしてください。
6. キャリアプランを持っているか
キャリアプランとは転職後どうキャリアを積み重ね、目標実現に向けて行動するのかを示すプランです。
面接官がこの質問をする意図は「しっかりと自分に向き合っているか」「実現への計画性がどうなっているか」「それが自社のビジョンと合っているか」などを確認するためです。
プライベートは話題にせず、志望動機と一貫性を持たせ、応募先企業で叶えられる夢を語りましょう。
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